10月1日(日)に下記の要領にて第57回セミナーを開催いたします。ご参加、お待ちしております。
・日時:2023年10月1日(日)13:00〜17:00
・会場:龍谷大学梅田キャンパス研修室
・参加費:会員 無料・非会員 1,000円
・参加方法:事前参加申し込みフォームはこちら
※当日参加も可能ですが、会員・非会員にかかわらず、できるだけ2日前(9月29日)までに参加申し込みをお願いします。非会員の方は、事前に参加申し込みをした上で、当日受付で参加費をお支払いください。
ご入会案内:入会手続きはこちら
ご入会手続きを完了いただきますと、セミナーへの会員としての参加、年度末の紀要・会員情報誌の発行等特典が多数ございますので、是非ご検討ください。
テーマ:「AIを活用した効果的な英語の教授と学習」
講演1(13:10-14:40)
講師:水本 篤先生(関西大学外国語学部・外国語教育学研究科)
題目:「生成系AIを活用した英語教育実践の可能性と課題」
概要:OpenAIが2022年11月30日にChatGPTを公開して以来、世界中で大きな反響を呼び起こしています。その人気の一因は、高品質な対話AIを無償で利用できる点にあります。ChatGPTの利用は、学習者自身が英語学習の効果を高めるために使用する可能性を持っているだけでなく、私たちの教育現場での教材開発や授業準備、そして実際の指導にも活用できます。本講演では、ChatGPTをはじめとするBing、Bardのような生成系AIを英語教育実践において、どのように効果的に活用できるかについてお話します。具体例として、講演者が取り組んでいるライティング授業におけるピア・レビュー活動にChatGPTによるフィードバックを取り入れた際の学習者の反応を報告します。また、ChatGPTを含むコーパスに基づいて作成されたツールは単独で使用するのではなく、有機的に組み合わせて使うように指導するアプローチが望ましいと考えられるため、実践・研究において利用できるフレームワークを紹介し、今後の展望や課題を議論します。
講師略歴:関西大学 外国語学部・外国語教育学研究科 教授。専門はコーパスの教育利用,語彙学習方略,言語テスティング。近年はコーパスを利用した学習と指導に関する研究を主に進めている。著作に,『外国語教育研究ハンドブック【増補版】― 研究手法のより良い理解のために』(2023年, 松柏社, 共編著),『ICTを活用した英語アカデミック・ライティング指導―支援ツールの開発と実践―』(2017年, 金星堂,編著)などがあり,専門に関する論文は Language Learning, Research Methods in Applied Linguistics などの国際ジャーナルに掲載されている。
講演2(14:50-16:20)
講師:柳瀬 陽介先生(京都大学国際高等教育院)
題目:「AI活用の決定要因としての教育観と学習観―英語学習者が「語彙学習では間違うことが必要」と自覚するまで―」
概要:AIは、英語学習者を大きく支援しうる。しかしテクノロジー使用の成果は、使用者の価値観によって方向づけられる。ゆえにAI使用が、例えば過度に管理的・抑圧的なら、英語学習者の英語使用が消極的になることもありうる。AI活用では、教育観と学習観が決定的に重要である。本講演は、発表者が英語ライティング授業の一部で実施したAI (ChatGPT: GPT-3.5) を使った対話的語彙学習課題について報告し考察を加える。多くの学生はこの課題に対して、「タイパ」(=費やした学習時間とそれに対して得られる得点の割合)からすれば不合理なほどの多くの時間を費やして熱心に取り組んだ。毎週のレポートが複数枚に及ぶ者や、レポートをすべて英語で書く者も珍しくなかった。学生が書く例文も学期当初は曖昧で稚拙な短文であったが、課題提出を重ねるにつれ、質と量の両面で大きく向上した。学期後半には、複数の学生が、「語彙を身につけるためには、できるだけ具体的な描写をした長い文を多く書き、その間違いから学ぶ必要がある」といった述懐をした。講演ではこの課題について、授業で大切にした教育観と学習観の点などから考察する。
講師略歴:京都大学国際高等教育院教授。同院附属国際学術言語教育センター英語教育部門長。教養・共通教育の英語ライティングやリスニングを担当し、反省的実践者としての力量を高めることを目指す。所属大学で積極的に英語を使う研究者や学生を対象にしたインタビューも行う(https://www.i-arrc.k.kyoto-u.ac.jp/english/interviews_jp)。研究では、哲学的な概念で言語教育実践の知恵を分析することを主なアプローチとする。博士号(教育学)は広島大学より授与。研究・教育上の知見は積極的にブログで公開している(https://yanase-yosuke.blogspot.com/)。
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